エクセル管理の限界とCRM改善

「複数のシートに情報が分散し、どれが最新かわからない」
「担当者ごとの管理方法がバラバラで、引き継ぎが滞る」
「データを入力しても分析や活用に結びつかない」
「監査対応の際に、必要な情報を取り出すのに時間がかかる」

上記のように感じている人材紹介会社の方、きっと少なくないのではないでしょうか。

エクセルやスプレッドシートは手軽で使いやすい一方、成長を続ける転職エージェントにとって“足かせ”になってしまうことがあるのも事実です。

本記事では、「エクセル・スプレッドシート管理の5つのデメリット」を整理したうえで、なぜ今CRMが注目されているのか、そして「CRM導入によって得られる具体的な効果」をご紹介します。

この記事を書いた人
平井 伴弥(キャリアバンク株式会社 代表取締役社長。これまで中途・新卒採用領域でのべ200社以上の大手~ベンチャー企業の採用支援を行う)

人材紹介会社が抱える、エクセル運用の限界

エクセル管理の限界?

人材紹介会社の多くが、案件や候補者の管理に、エクセルやスプレッドシートを活用しています。確かに初期費用を抑えて、誰でもすぐに使えるため、立ち上げ期のツールとしては非常に便利ですよね。

しかし、取扱うデータ量や関わるメンバーが増えるにつれて、エクセルやスプレッドシートでは対応しきれない場面が増えてきます。効率的に使えていたはずの管理表が、気づけば“混乱の温床”になってしまうのです。

ここからは、エクセル・スプレッドシート管理の5つのデメリットを取り上げ、それぞれの現場で起こりがちな状況を見ていきましょう。

エクセル・スプレッドシート管理の5つのデメリット

エクセル管理の5つの問題

1.情報が分散し最新性を保ちづらい

エクセルやスプレッドシートは、ファイルやシートが拠点・担当者ごとに分散しやすく、どこに最新情報があるか判別しづらくなります。運用を重ねるうちに、候補者情報・求人条件・面談履歴・選考ステータス等のデータが断片化し、結果として最新情報に基づかない連絡や提案が行われ、信頼毀損につながってしまうことも。

事例1

本社の担当者が求人票の年収レンジを「500〜650万円」に更新したが、地方拠点のシートには古い条件「450〜600万円」が残ったまま。拠点担当者が古い情報で候補者にオファーしてしまい、後から訂正が入って候補者に不信感を抱かれてしまったことをきっかけに辞退されてしまう。

事例2

ある拠点でシートを複製してローカルに保存していたため、更新が反映されず古い選考ステータスを参照。候補者に「書類選考中」と誤って連絡してしまい、実際には既に不合格が確定していたことが後で発覚。企業と候補者双方からの信頼を損ねた。

「最新情報への一本化」ができない限り、スピードよりも先に信頼が失われます。

2.属人化による引き継ぎ漏れ

入力ルールやシートの構成が担当者ごとに異なると、退職・異動時の引き継ぎのタイミングで業務が停滞しやすくなります。色分けの意味やフラグの基準が明文化されていないことで、後任者がルールや設計を読み解くのに時間がかかり、結果として対応遅延や抜け漏れのリスクが増加することに。

▶ よくある兆候
  • 「黄色=ホット」「水色=要フォロー」など、独自の色分けが乱立
  • 候補者に関するメモが、別タブ・別ファイル・個人PCに散在
  • 面談結果の入力様式が、担当者ごとにバラバラ
▶ よくある現場の具体例

前任担当者が独自に作った行動予定に関する列の運用ルールが共有されておらず、ステータスが「要対応」だったにも関わらず、後任担当者は放置。結果として面談後のフォローが一週間遅れ、候補者は他社で内定。企業からは「反応が遅い」との評価を受けてしまった。

ルールが組織に共有されていない限り、引き継ぎは常に事故の温床になります。

3.重複・入力ミスが発生しやすい

エクセルやスプレッドシートは自由度が高い反面、入力ルールやチェック機能が限定的です。そのため、人による操作や入力の揺れから重複や誤記が頻発します。

よくあるケース

  • 重複登録:同じ候補者や企業が、別担当・別拠点で別々に登録される。情報が二重管理され、履歴が分断される。
  • 表記ゆれ:「株式会社ABC」「(株)ABC」「ABC社」など、同じ企業でも担当者ごとに異なる表記で入力。検索や集計で漏れが発生する。
  • 入力フォーマットの不統一:電話番号にハイフンを入れる人と入れない人が混在、日付形式も「2025/8/25」と「8月25日」でバラバラ。データを集計・分析するときに整形作業が必要になる。
  • 更新漏れ:ある担当者が候補者の最新面談結果を更新しても、別のシートやファイルでは古いまま残り、履歴に矛盾が生じる。

4.権限管理・セキュリティに弱い

エクセルやスプレッドシートの場合、アクセス権限の粒度は限定的で、特定の項目やレコードだけ編集可・不可設定にする、といったことが困難です。これらの環境では、機密情報が意図しない形で流出してしまうリスクが残ります。またエクセルファイルの場合、メール添付やローカル保存によってコピーが拡散しやすく、利用者が知らぬ間にバージョンが複製されることもあります。

具体例

  • 共有リンクの誤設定による情報流出:担当者がスプレッドシートを「リンクを知っている全員が閲覧可能」に設定したまま社外の協力会社に共有。社外の第三者が候補者情報や給与条件など機密データを閲覧できてしまった。
  • 不要な権限付与による情報流出:本来アクセス権を付与すべきでないアルバイトや契約社員にシート編集権限を付与してしまい、機密情報(候補者の個人情報や給与条件)が社内外に意図せず閲覧・コピーされる事態が発生した。
「見られるべき人だけが見られる」状態を保てないと、便利さが一転してリスクに変わります。

5.データ数が一定量を超えると重くなる

スプレッドシートやエクセルは、小規模データの管理には向いていますが、数千件〜数万件といった規模になると処理速度が著しく低下することがあります。ファイルサイズが肥大化し、ネットワーク環境によっては開くことすら困難になる場合もあります。結果として、日常的な入力・検索・共有に大きな支障をきたし、業務スピードが落ちてしまいます。

▶ よくある兆候
  • 開くのに数分かかり、会議前の更新が間に合わない
  • 同時編集でセル競合が多発し、入力が上書きされる
  • 関数による処理が重く、検索→提案までのリードタイムが長くなってしまう
▶ よくある現場の具体例

候補者リストが1万件を超えた段階でファイルが顕著に重くなり、営業が商談中に必要なデータをリアルタイムに抽出できない状態に。

「速さ=価値」の現場で、遅い基盤は機会損失そのものです。

なぜ今、人材紹介会社向けCRMが注目されているのか?

こうした課題を解決するツールとして注目されているのが「CRM(顧客管理システム)」です。
CRMはもともと営業支援ツールとして普及してきましたが、近年では人材紹介業のフローに最適化された専用のCRMが登場し、業界全体での導入が進んでいます。

求職者・求人企業とのやりとり、推薦履歴、進捗状況、面談日程など、複雑に絡み合う情報を一元管理することで、業務の質とスピードが飛躍的に向上します。

加えて、厚生労働省や労働局が求める提出書類への対応や、個人情報管理の観点からも、エクセルよりもセキュアかつ効率的なCRMの重要性が増しています。

CRM導入で得られる3つの効果

CRM導入の3つの効果

1. 求職者・企業情報の一元管理で「属人化」からの脱却

CRMを導入する最大のメリットは、求職者や企業に関するあらゆる情報を一元化できる点にあります。

  • 面談日や職歴、希望条件、過去の紹介実績
  • 担当者ごとのやり取り履歴
  • 紹介した求人情報とその結果

これらをすべて一画面で管理・閲覧できることで、「誰が、いつ、どのような対応をしたか」が社内で即座に共有可能になります。結果として、特定の担当者に業務が偏る「属人化」が解消され、組織としての対応力が向上します。

2. 進捗管理の効率化とミス削減

CRMでは、案件や求職者の進捗状況を「ステータス」で管理できます。たとえば、

  • 新規登録
  • 面談済
  • 紹介済
  • 面接中
  • 成約

といったフェーズごとに求職者を分類し、現在の対応状況を一目で把握できます。

また、面談の予定や求人票の送付漏れを防ぐ 「リマインド通知機能」 により、人的ミスや機会損失を最小限に抑えることが可能です。これはエクセルでは難しい、“業務の自動化”による恩恵の一つです。

3. 成約率向上につながる「タイムリーな対応」

情報の一元化と進捗の可視化により、求職者へのアプローチが迅速かつ的確になります。
CRMでは、条件にマッチする求人をすばやく抽出し、候補者へ提案できるため、面談→紹介→面接→成約までの リードタイムが大幅に短縮されます。

ある導入企業様からは、「候補者への対応スピードが上がり、マッチングまでの時間が大幅に短縮できた」との声もいただいています。
正確でタイムリーな対応が、成約機会の最大化につながるのです。

CRM導入のポイントとステップ

CRM導入のポイント解析

「いきなり高機能なシステムを入れるのは不安」「現場が使いこなせるか心配」といった声も多く聞かれます。導入を検討する際には、以下の観点で比較・検討することをおすすめします。

  • 人材紹介業に特化しているか(業務フローにフィットする設計)
  • スモールスタートが可能か(初期費用・ランニングコスト)
  • 操作がシンプルか(現場メンバーが直感的に使えるか)
  • サポート体制があるか(導入時の初期支援・運用中のフォロー)
CRM導入を検討中の方は、こちらの記事も参考になります。

▶ CRM導入に失敗する人材紹介会社の共通点とは?成功事例とあわせて解説

私たちが提供する「キャリアバンククラウド」の特長

私たちが提供している人材紹介会社・転職エージェントに特化した顧客・求人管理システム「キャリアバンククラウド」は、求職者・求人企業双方の情報を一元管理し、日々の業務をスムーズにするための機能を多数備えたCRMです。

スモールスタートが可能な設計で、初めてCRMを導入する紹介会社様からも 「現場に定着しやすい」「操作がシンプル」と好評をいただいています。

利用企業様の声:業務スピードの向上と可視化が実現

利用企業の声と事例紹介

キャリアバンククラウドは、導入いただいた紹介会社様から、次のような声や期待の効果をいただいています。

  • 求職者対応のスピードが向上し、面談までのリードタイムが短縮できた
  • KPI(面談数・推薦数・成約率など)の可視化で、振り返りや打ち手を検討しやすくなった
  • 対応履歴や求人情報を一元管理できるようになり、属人化リスクが軽減された

今後、さらに多くの企業様での成果創出が期待されます。

まとめ:転職エージェントにとってCRMは「攻め」と「守り」の両輪

エクセル管理の限界を感じながらも、システム導入に踏み出せていない転職エージェントは少なくありません。しかし、CRMは単なる業務効率化ツールではなく、「成約率向上」「属人化解消」「法令対応」など、紹介ビジネスを持続的に成長させるための土台です。

今こそ、エクセルから卒業し、CRMという武器を手に入れるタイミングかもしれません。

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